平成24年5月25日に開幕した第42回日本選手権予選。
広島瀬戸内は皆さまからの熱い声援のおかげで、何とかベスト4に残ることが出来ました。
思えば、今の3年生達は
「この日」を目標に。
「この日」を夢み。
「この日」に全力を尽くすため、とにかく全力で駆け抜けてきました。
全ては「この日」のためだけに…
私は現在3年生の親ですが、この2年間は本当にあっという間で…
駆け抜けてきた日々は本当に一瞬の出来事だったように思えます。
今から私が漏らす本音を聞けば、監督コーチ、そして選手一人一人は「なんてことを言うんだ!!」と憤慨するかも知れませんが、我々保護者達はこう思います。(少なくとも僕は)
この日本選手権関西連盟大会。本当は勝敗などどうでもイイんです。
いや… どうでもイイという表現ではなく、正確にいえば二の次なんです。
我々保護者達は、君たちと君たちを心から愛する4人の指導者たちとの絆。
そして、これまで積み上げてきた幾多の軌跡をズッ…と見てきました。
片時も目を離さず。ズッ…と。ずっと。
本当はもうこの時点でじゅーーーーーーーぶん…幸せなんです。
そして十分。 君たちには感謝の気持ちで一杯なんです。
本当に良い仲間たちに巡り会え、良い後輩、良い先輩達にも支えられ、そして本当に素晴らしいチームで「野球」と「人間力」を学ぶことが出来た。
2年前の君たちは、真新しい帽子を被ってグランドの球拾いをし、1年生の頃は1勝も出来ず、色んなチームから笑われ、それでも懸命に指導者達を信じ、ここまで頑張ってきた。
指導者の方たちは、そんな選手達をただひたすら信じ、決して焦らず… 決して迷わず…
「この日」に合わせてちゃんと照準を絞り、この子達のカラーを大切にしながら、立派にこのチームを作り上げてきた。
僕たち大人達は…その全てに、ただただ「感謝」の気持ちでいっぱいなんです。
今度の尾道戦。
本当にきれい事じゃありませんが「心から楽しんだチーム」が勝つと思います。
準決勝という舞台で戦えることを心から楽しむ…
この仲間達と野球が出来ることを心から楽しむ…
この後輩達と… この先輩達と… そしてここまで共に過ごしてきた「広島瀬戸内のユニフォーム」を着てプレー出来ることを心から楽しむ…
三年生にとって、そんな幸せや楽しみを味わう時間は… もうあと僅かしかない。
もう二度とこの仲間達と、このユニフォームを着て、憧れ続けた神宮を夢見て戦うことはない。
だから僕たち大人達が、たった一つだけ君たちにエールを送れるならば…
将来、オッさんになって「この日」を思い出したとしても…
胸を張って自慢話が出来るくらい、悔いのないよう精一杯戦って欲しい。
本当にただそれだけ。
勝ち負けじゃない。結果を求めるわけでもない。
ようやく訪れた「この日」だから。ズッと待ち続けた「この日」だから。
後は君たち自身が悔いのないよう… 心の底から「この日」を楽しんで欲しい。
後輩達は、3年生のために。
3年生達は、監督、コーチ、ご両親、数々の先輩・後輩達はもちろん…
この3年間、苦しいときも楽しいときも、ズッと一緒に過ごしてきた8人の同級生達のために!!
最後の一投まで!! 最後の一振りまで!! そして最後のゲームセットの瞬間まで…
決して後悔することのないよう、全力で「この日」を楽しんで欲しい。
そうすればきっと君たちは、生まれて初めて経験できる素晴らしい感動を味わえるだろう。
それがこの「誰かのために流す涙」なんだ…と。
長くなりそうなので、最後にこれだけは覚えておいて欲しい。
もし、君たちがこの後の準決勝、決勝の舞台で、エラーをしたり、チャンスで打てなかったとき…
緊張して手足がガクガク震えたとき…
ピンチになって気持ちが負けそうになったとき…
そんな時は大きく息を吐き… あの5月5日を思い出して欲しい…
今年の5月5日。
豊北公園球場で行われた対、高川学園戦。
あの試合の終盤で逆転負けを喫した際、伊藤監督は人目もはばからず、君たちのために声を上げながら号泣し、その悔しさを叫び続けた。
あの姿。あの振り絞るような声。あの…切なさ。その姿に選手全員が正座して泣いた。
あのとき監督は、何度「神宮」という言葉を口にしただろう。
あの姿をしっかりと思い出し、そしてそれを勇気に変えて堂々とグランドに向かって欲しい。
あれも歴とした「誰かのために流す涙」なんだと。
自分のために流す涙は軽く、乾くのも早い。
そして、いつの日かその記憶もゆっくりと忘れ去ってしまう。
しかし、誰かのために流す涙は重く、いつまで経っても乾かない。
そして、流した涙の記憶は一生忘れることはない。
あと2試合… 君たちには自分以外の誰かのために涙を流して欲しい。
大切なあの人のために… 掛け替えのない仲間のために…
そして6月22日…
選手も指導者も保護者も!! 広島瀬戸内の関係者全員で思いっ切り泣こう!!
あの空へ… あの雲の彼方へ… 全員で手を伸ばし、人差し指を並べられるその日まで…
君たちの夢が叶う日まで… あとふたつ!!