事務局長賞|2021年度・第1期|酒井 翼

事務局長賞

受賞者:酒井 翼(初)

選考期間

令和2年9月1日~
令和2年12月31日の3ヶ月間

授賞の決め手となった理由を教えて下さい。

新チームの選手の中でダントツに「気」が違う。

やる「気」

「気」持ち

「気」構え

どこでどうスイッチが入ったのか、なにがお前をここまで変えたのか、卒団前に一度聞いてみたい(笑)

その「気」を8月31日まで絶対に切らすなよ!

最後に、この選手へのメッセージをお願いします。

新チームになったから、そろそろ本音をいうが、体験入団の時、わしが一目惚れした選手のひとり。

実をいうと、わしはお前が一番欲しかった。

スカウトの板岡さんに連日電話をかけて、何としてもコイツだけは、絶対口説くようにお願いしたのを今でも覚えている。

カラ(体)は小さいし、スイングもまだ鈍い。

しかし、なんていうんだろう?とにかく小学生ながら、既に立派な「野球人」の顔をしていた。

 

入団して一気に開花するのを信じて疑わなかったが、そこに待ち受けていたのは「カラの壁」だった。

対面する者のほとんどは見上げる者ばかり。

自分がどんなに渾身の力を込めてフルスイングしても、逢夢や遥大の打球とは「質」と「スピード」が違う。

その現実にお前は全ての「自信」を失った。

 

もうこのまま、この天才はここで終わってしまうのかな?

一時はそんな諦めも頭によぎった。

 

しかし、お前は「振る回数」を減らさなかった。

減らすどころか、更にその回数と精度を上げた。

 

きっと、こう考えたのだろう。

 

「人は人」「自分は自分」と。

 

ある時からオマエは、逢夢のカラとパワーを追うことや、遥大のセンスや身体能力を羨むのをやめた。

アイツらになくて、オレにあるもの。

アイツらにもあって、オレにもあるもの。

見るモノ、求めるモノを、その2つに定めた。

 

それからというもの、お前は「頭で考えること」をやめた。

考える時間の数だけ、バットを振ることに変えた。

 

そしてお前は今、あの頃のような「野球人」の顔に戻った。

 

これはあくまで、ワシのお得意の「妄想の世界」のお話(笑)

ホンマかどうかはワシャ知らん。

 

けど、この間、お前の手を触って、その妄想が現実なのかな?と密かな期待に変わった。

多分、今、チームで一番、きしゃない手をしとるんは間違いなくお前やろ。

ようもまぁ…ここまでデコボコの固い皮で、吐き気がするほど汚い手になったもんやと感心するわ。

 

涙の数だけ「努力」がある。

栄えある新チーム第一号のMVPや。

そのまま突き抜けろや。期待しとるで!