事務局長賞|2020年度・第4期|中島悠希・本森海凪

事務局長賞

受賞者:中島悠希(初)本森海凪(初)

選考期間

令和2年7月1日~
令和2年8月31日の2ヶ月間

授賞の決め手となった理由を教えて下さい。

文句なくオマエら二人。

とにかく今は「よう頑張ったな」と肩を叩いてやりたい。

いつの日かまた、オマエらとキャッチボールができる日を夢見て…

とりあえず、オマエら二人に最後のMVPや。

最後に、この選手へのメッセージをお願いします。

この二人は、8月31日をもって、野球から少し距離を置く決断をした。

 

「今」を頑張るキミたちには、少し理解できないかも知れない。

「これまでの彼ら」を見守り続けてきた、我々大人には「もったいない」と思うかも知れない。

彼らをよく知らない第三者の人たちからすれば「じゃあなぜ、中学から硬式野球を始めたの?」と不思議に思うかも知れない。

 

その「感想」は全て正しい。

ごもっともな意見と感想だと思う。

 

しかし、彼らの「決断」もまた正しい。

 

オギャーとこの世に生まれ、若干15年しか生きたことのない少年が、周りの大人の意見や雑音に流されず、自分で自分の進路(生きる道)を決めた。

一人は、バットをペンに持ち替え、医学の道を目指すという。

もう一人は、新たな生きがいと楽しみを見つけ、もっともっと色んな世界(スポーツや文学)を経験してみたいという。

 

二人が歩む道に「共通点」はないが、二人が迷わず決めた「決断」には、一つの大きな「共通点」がある。

 

それが、青春の一部を過ごし、野球という楽しさを教えてくれた「シャークスでの時間」を、悔いなく、精一杯、最後の一秒まで「この仲間」と一緒に過ごそう。

と決めたこと。

 

若干15歳の少年に教わった「人生の歩み方」でもあった。

 

我々は長い時間、この世の中で生きていると、いつしか心が固まってくる。

「こうでなければいけない」

「こうしなければおかしい」

「こうすべきだ」

そのひとつひとつは、我々が生み出した「偏った固定観念」かも知れない。

 

彼らが書いたラストメッセージには、なんの後悔も、なんの逃げ(現実逃避)もなかった。

ラストメッセージ

ラストメッセージ

 

ならば、我々は彼らが下した「決断」を心から尊重し、全力で応援してあげなければならない。

 

我々は「野球」を通じて出逢い、そしてその出逢いをきっかけに、かけがえのない「家族(ファミリー)」になれたのだから。

家族の新たな旅立ちに心から祝福したい。

 

今は長い長いロングバケーション。

いつの日かまた、ボールを握りしめたくなったら、その時はいつでもグランドに戻ってこい。

笑顔でキャッチボールでもしような!