2019年の最後の公式戦が終わった。
何年かまえのコラムで綴ったことがあるが「一年の計は元旦にあり」というように「一年の締めくくりは勝って」というのは、野球人ならば誰もが夢見る幸せであろう。
そういった意味で、今年最後の公式戦を良いカタチで終わりたかったが、残念な結果となった。
今日は、淡々と「更新情報」で終わるつもりであったが、久々に「コラム」として執筆しようと思った。
僕がコラムを書くときは、ある「決めたルール」がある。
それは「ここが転機」と感じたとき。
そして「ここが勝負」と感じたとき。
冒頭から矛盾するが、実はオマエらはまだまだ「転機」でもないし、「勝負」でもなんでもない。
まだまだ発展途上。努力の途中。そこは勘違いするな。
そんな「時期尚早」の今、なぜにグダグダとコラムを?と、自分自身にも問いかけたが、答えは明確にない。
ただ、僕の中に潜む「虫」が、「今日は書いとけ」と降臨してきただけである。
自分を上げるわけではないが、僕の中に潜む「虫」は時として大きく当たるときがある。
そんな「虫」が今日は「予感」として書け。と。
そうつぶやいてくれた。
話を元に戻そう。
冒頭で書いたように、オマエらはまだまだ「転機」でもないし、「勝負」でもなんでもない。
「勝負」や「転機」というものは、死にもの狂いで努力や練習をし、多くの涙を流したモノが
「行き場」を失ってしまったり…
もうこれ以上、何を努力したら良いのか…と、いくら努力しても、これ以上「結果」として形が見えてこない者が「自信を失いかけた」ときに訪れるもの。
そう考えると、オマエらはまだ「努力」などしていない。
いや、やり切ってもいないし、壁にすらぶち当たってもいない。
もっといえば、オマエらはまだ、最上級生にすらなっていない「ただの中学2年生」にすぎない。
オレの持論であるが、君たちが過ごす中学三年間の中で、一番ツラく、厳しいときはいつだか分かるか?
それはまさにこの冬。
「中学2年生の冬」である。
みんな少し勘違いしているが、野球人が頑張る時期は「春」でもないし「夏」でもない。
野球人として、一番真価が問われるのは、寒くてツラい「冬」をどう越すか。で決まる。
その冬の越し方ひとつで、実はもう、その年の「春」や「夏」の結果がほぼ見えてくる。
この冬、こたつに入って餅やミカンを食ってる奴と、体中から湯気が出るまでバットを振り続けたヤツとで…
中学三年間の全ての「努力」と「衰退」が決まる。
いや…高校野球への道が決まるといっても過言じゃない。
ひと冬越えて、別人のように成長した人間と、ひと冬越えて「努力したふり」をしていた人間とでは「底力」が違う。
ひと冬越えて、大きく成長したライバルたちを見て、慌てて春から死にもの狂いでやったって、とき既に遅し。
もう絶対にその差は縮まらない。
だって、底力が違うし、そいつもその春から、キミの数倍、努力をするのだから。
実は、今日の敗戦は70~80%覚悟していた。
オマエらが今日、なぜ負けたか。オマエらに解るか?
それは、オマエらに負けた数々のチームが、その悔しさをバネに「来年の春」を目指して、たったこの1~2ヶ月を「死にもの狂いで練習」してきたから、急激に「伸びて」きたのである。
対してオマエらは、この秋、「ある程度の結果」を残した。
その「ある程度の結果」が、いつしかオマエらの心に「慢心」や「怠り」を生み、「真剣」というアイテムを失った。
その結果、オマエら一人一人の「成長が止まった」
けど、勘違いしてはいけない。
オマエらは衰退しているんじゃない。弱いわけでもない。
オマエらはただ、成長が「止まった」だけに過ぎない。
もちろん、長期間のシビれる試合が続く中、勤続疲労やケガの影響も大いにあるだろう。
だから、正確に言えば、今のオマエらは「伸びしろ」がなくなり、「伸び悩んでいる」だけに過ぎない。
対して、他のチームは「負けた悔しさ」によって「目標」が定まり、伸びしろが増えたことにより、どんどん「伸びて」きているだけ。
そして今日、頭の良いヤツなら、すでに「この現実」に気付いたはずだ。
この冬、恐らく他チームとオマエらとの間に「大きな差」はないコトに。
横一線。
球春到来を告げるころ、中国支部の全チームの実力は「ほぼ同じ」と断言してもいい。
今日の敗因。
それは、その「横一線の予兆」が、この冬、早くも芽を出してきた。
ただそれだけである。
今日の試合で打てなかった奴。
今日の試合で守れなかった奴。
そして…今日の試合で抑えられなかった奴。
名前は言わない。
責めもしない。
何が原因か。何が問題なのかは、オレたち大人がぐだぐだ言わなくても「本人」が一番解っているはずである。
打てなかったヤツは、手のひらが血だらけになるくらい「今より振る」しかない。
守れなかったヤツは、頭じゃなく、体が覚えるまで「今よりノックを受ける」しかない。
最後までマウンドを守れなかったヤツは…
どんなに過酷なナツが来ようとも、どんなに孤独で苦しい場面に遭遇しようとも、強靱なバネと、揺るがない下半身と、そして数々の苦難を跳ね返せるだけの強靱な「精神力」と「スタミナ」を作るため!
今よりもっと!もっと!
走って!走って!走りまくって!「今よりもっと走り続ける」しかない。
その「本人」が、この冬、今までと同じようなキモチで「野球と向き合う」のなら、それはそこまで。
お前が決めたことだから仕方がない。
ただコレだけは最後に言っておく。
地道に努力し… 積み上げてきた汗と涙が「成果」として現れるには、長い年月と時間がかかる。
しかし、努力を怠った人間が「結果」として「信用を失う」のは… 一瞬である。
そして、この言葉もようく覚えておくといい。
変わる奴は「一瞬」で変わる。
変わらない奴は「100年経っても」変わらない。
そういった影響か…嬉しい誤算が、いよいよ芽生え始めてきた。
チーム内でも、そろそろ真剣に腰を上げにきたヤツが、ひとりふたりと現れてきた。
そうゆうヤツは「眼」でわかる。
相手と勝負する前に、チーム内で勝負する環境がようやく整ってきた。
一つだけ言っておく。
うち(シャークス)に「与える」背番号はない。
欲しけりゃ「奪え」
高校野球とは「そうゆう世界」である。
20チームが横一線になった今、
伸びるも、止まるも、衰退するも、それを決するのは「この冬」しだい。
この冬、君たちが「野球」と「弱い自分」にどう向き合うのかで「最後のナツ」が決まる。
悔し涙で泣くもよし。
うれし涙で、親やチームメイトに心から感謝するもよし。
その答えは「この冬のオマエら」に、オレは任せる。
今年最後にオレの感じた「予感」が、オマエらの中で「転機」となって届いてくれてることを信じて… 春を待つ。