24期生の勇姿を見届け、意気揚々とスタートを切った「新生・25期生」が、早くも苦悩にあえいでいる。
僕が見る限り、このチームはかなり「光るモノ」を兼ね備えていると断言できる。
しかし、このチームに足りないモノが、二つある。
それが「笑顔」と「元気」である。
野村謙二郎予選に敗退し、うな垂れた表情で後片付けをしているお前らを見ていて切なくなった。
「なぜ、大好きな野球をしている(させてもらっている)のに、キミたちは全く楽しそうじゃないのか。」
僕が少年野球の親としての現役時代、いつも息子に言っていた言葉がある。
お前が決めた道、お前がやりたいことを、とにかく真っ直ぐ楽しみなさい。
その姿を眺め、支えてあげることが、私たち「親の幸せ」なんだから。と。
俺たち「親」が、お前たち「子ども」と一緒に過ごし、そして泣き笑いながら暮らせる時間は、実はそんなに長くはない。
だから、お前たちと暮らした「想い出」だけは「本当に楽しかった」と胸を張って言えるような…そんな最高の時間を過ごしたい。
そのために必要なモノ。
それは「自分の選んだ道(答えや選択)に「覚悟」を持つ」こと。
ただ、その一言に尽きる。
よく、同じような表現で「自分の決めた道に「自信」を持つ」という表現があるが、僕は少し違う。
自信という「気持ち」には、何かに裏付けられた「結果」や「確信(手応え)」が伴わなければ絶対に沸いてこない。
中学生のキミたちが「それ」を得ようとするならば、それは勝利やホームラン、ヒットや奪三振などの「結果」がついて初めて、自信へと繋がる。
じゃあ… その「結果」が伴わない子は、どうやって「自信」を手にするのか。
それは「覚悟」を決めるしかない。
自分が決めたこと。
自分がしたいこと。
自分が選んだこと。
自分が正しいと思ったこと。
それらの全てに「覚悟」を決めて、腹をくくるしかない。
実は…それは「キミにしか」できない。
「覚悟」を決めることだけは、目の前にいる親も、先生も、監督コーチも、友人も、チームメイトも…手助けすることはできない。
じゃあ、覚悟を決めれば、次に何が訪れるか?
それはだた「やるだけ」しかない。
そう、「やる」しかない。
「覚悟」を決め、「やる」と決めたヤツには、必ずと言っていいほど「ある感情」が芽生える。
それが「納得」というものである。
覚悟を決めて、一つのことを「やる」ヤツは、絶対に、自分が「納得」いくまで、一つのことをヤメない。
バットを振ることも… シャドウをすることも… 黙々と走り続けることも。
とにかく、自分が「納得」するまで、やめることが「できなく」なる。
それが、本当に覚悟を決めたヤツの「証(証拠)」なのである。
自分が納得してもないのに、途中で投げ出すヤツ、バットを置くヤツ、走ることを…投げることを諦めるヤツは…
結局、覚悟を決めた「フリ」をしていただけなのである。
だから「結果」が伴わない。結果がついてこないのである。
これは、あくまでオレの持論なのかも知れない。
しかし、オレが今まで1,000人以上の子供たちを見てきた中で、「覚悟」を決めずに「結果」がついてきたヤツは…残念ながら見たことはない。
「覚悟」があるヤツは、先ず「やる」
「やる」ヤツは「納得」するまでやめない(諦めない)
そして自分に「納得」した答えが出たヤツだけが貰えるご褒美。
それが「結果」というご褒美なのである。
その「結果」が積み上げられることにより、初めて「自信」というものが芽生える。
自信とは、自信を持つ行為とは… それくらい「尊いモノ」なのである。
ここまで言えばもう理解してくれたであろうか?
キミたちに足りないモノは「自信」ではない。
「覚悟」なのである。
キミたちが、この蒼きユニフォームに袖を通すまでのプロセスは、僕にはわからない。
しかし、「瀬戸内で硬式野球したいんよ~」「はい♪イイですよ~」みたいな、簡単なやり取りで袖を通したわけではないと思う。
何度も何度も家族会議をし、何度も何度も夫婦で話し合ってこられたに違いない。
お金もかかる。手間もかかる。学業にも支障が生じるかも知れない。
親も、子も、兄弟や姉妹もにも。多大な気苦労と迷惑を掛けるかも知れない。
それでも、キミたちにこの、蒼い帽子と蒼いユニフォームを着ることを許した。
その背景には、なにがあるか。お前たちには分かるか?
それが…
お前が決めた道、お前がやりたいことを、とにかく真っ直ぐ楽しみなさい。
その姿を眺め、支えてあげることが、私たち「親の幸せ」なんだから。
という、親御さんの「大きな愛」と、キミたちが「野球をやりたい!!」という願いを叶える…
親としての「覚悟」でしかないのだから。
賢伸、陸斗、晃丞、海斗、康太郎、大翔、瞭、勇真、恵理登。
お前らの親は、とーーーーーーーーに「覚悟」を決めて、「お前らが好きな野球」を支えるコトに腹をくくっとる。
ほんなら、はぁ、ワレらが腹決めて。腹くくって。覚悟決めて「やる」しかなかろうが?
今のシャークスは、オマエらより、お父ちゃんの母ちゃんの方が大きな声出して、元気がええど?
賢伸、陸斗、晃丞、海斗、康太郎、大翔、瞭、勇真、恵理登。
野球はのう?勝負事はのう?
勝つけん楽しいんよ。勝たんにゃ楽しゅうないんよ。
今のオマエらが楽しゅうないんはの?勝てんけんよ。
打てんけんよ。守れんけんよ。ストライク入らんけんよ!
そがなことくらい分かっちょるわい。
ほんじゃあ、今からオマエら、ウチやめて強いチーム行くか?
山口東や尾道や高川学園に行ってみるか?
そのチームで勝ったら幸せか?そのチームで神宮行けたらサイコーか?
それがオマエらの幸せか?それがオマエらの望みか?
それを、オマエらのオトンやオカンが望んどんか?
賢伸、陸斗、晃丞、海斗、康太郎、大翔、瞭、勇真、恵理登。
オマエらで勝つけん楽しいんじゃろうが!
オマエらで神宮いくけん幸せなんじゃろうが!
オマエら9人で見る夢は…同じ景色のはずで?!
そのために「ウチ」にきたんじゃろうが。そのために「ウチ」を選んだんじゃろうが。
はぁ、エエ加減、覚悟決めえや。
「ここでやる!」ゆう覚悟決めえや。
「コイツらと神宮行く!」ゆう覚悟決めえや!
「おとん、おかんを神宮連れてったる!」ゆう覚悟決めんかい!
わしが今から「楽しさの連鎖」っちゅうもんを教えたる。
「勝つ」から「楽しい」でもそれは「楽しい」から「勝てる」
この連鎖は永遠なんじゃ。永遠に続く連鎖なんじゃ。
「覚悟」を決めたヤツは「元気」になれる。
「元気」なヤツは「声」が出る。
「声」が出りゃ「ジッとしとれん」
「ジッとしとれん」ヤツは「やる」しかない。
「やる」ヤツは自分が「納得」するまでやる。
「納得」するまでやりゃ、必ず「結果」が出る。
「結果」が出るけん「楽しい」
「楽しい」けん「勝つ」
これが「勝つ」という二文字に秘められた「理由」なんよ。
覚悟を決めてやるヤツにしか、その理由は永遠に分からん。
人間、覚悟さえ決めりゃ、必ず「笑顔」で生きてゆける。
「笑顔」は多けりゃ多いほど、人は「元気」になれる。
お前たちに足りんのは、技術や経験じゃない。
「このチーム(仲間)で勝つ!」という覚悟だけ。
ワシは「お前ら」と全国に行く。
そして「お前らなら」絶対連れてってくれると、心から信じとる。
長ごうなったけん、最後に一言だけ!
今度会うて、お前らから「ええ笑顔」と「ええ声」が聞こえたとき…
それがようやく、お前らが「覚悟を決めたとき」と捉えさせてもらう。
はよう、お前らの「笑顔」と「元気」がみたい。