2020年度の春の陣に、いよいよ黄色信号が灯った。
「いい加減な気持ち」で野球をやってる選手など一人もいないと思う。
グランドに立つ以上は、誰よりも「勝ちたい!」と「強く」思いながらプレーしている選手ばかりだと思う。
しかし、本番になると「本来の力」が全く出せない選手。
「練習どおり」やれば全然問題ない選手。
「あと一押し」のシーンで、必ず「フッ…」と力を抜く選手。
そうゆう選手は「マインドコントロール(自己暗示能力)」のやり方が上手くいっていない証拠。
つまりは、何が自分の「弱点(ネガティブ)」で、何が自分の「長所(ポジティブ)」なところなのか?をまだ理解できていないのである。
押す場所を間違えているとでも言えば解るだろうか?
あがり症で、人一倍緊張しいなヤツは、自分で自分を追い込んだって何の意味もない。
「ここで打たなきゃ…」「ここで何とかしなきゃ…」と自分で自分に「呪いの暗示」をかけたって、先の結果など見なくても分かる。
人間が本来持っている「技術」を最大限に生かすためには、絶対に避けては通れない「壁」がある。
それが「感情」という魔物。
見えない重圧や、見えない声との戦いが必ず待っている。
気負いすぎたり、追い込みすぎたり、力を抜きすぎたり、集中しすぎて周りが見えなくなってしまったり。
人は様々な「感情」と戦い、時にはそれを「武器」にしたり…時にはそれを「凶器」に変えてしまう。
君たちはまだ、その「感情」との戦いに勝てていない。
いや…上手くコントロールできてない。といった方がしっくりくるだろうか…?
プロ野球選手であろうと、メジャーリーガーであろうと、バッティングやピッチングには、必ず「好・不調」という「波」がある。
これは野球のみならず、スポーツや仕事や人間関係にも大いに言えること。
しかし、そんな並みいる選手の中でも「一流」と評される選手には、ある一つの「法則」がある。
それは、今は亡き、野村克也さんが「一流選手の条件」として、こんな風に評していた。
「悪いときに「悪いなり」のピッチング(バッティング)ができる者」と。
悪いから「抑えられない」じゃない。
悪いから「打てない」じゃない。
悪いときは「こう」する。
悪いときだからこそ「こう」する。
そんな「こう」という「切り替えスイッチ」がある選手が「一流」という名の階段を登っている…と。
今から授けることは、僕が窮地に立ったとき、必ず実行している「マインドコントロール(自己暗示方法)」である。
それは「言葉の魔法」をかけること。である。
結果が出ないヤツ。本番になればなるほど「本来の力」が出せないヤツ。は、決まって「こう」である。
「打てなかったらどうしよう」
「抑えられなかったらどうしよう」
「オレのところに飛んできたらどうしよう」
そんなヤツは決まって
「打てないかも知れない」
「ストライクが入らないかも知れない」
「エラーするかも知れない」
という「かも知れない運転」で運転している。
そんなヤツはきっと事故(失敗)を起こす。
対して、成功するヤツは決まって「こう」である。
「絶対打てる(オレに回せ)」
「絶対抑えたる(打たれるわけがない)」
「絶対守る(オレのところに飛んでこい)」
そうゆうヤツは決まって
「自分に回ってくるだろう」
「初球から振ってくるだろう」
「自分のところにボールが飛んでくるだろう」
という「だろう運転」で、ちゃんと「予測」しながら運転している。
そうゆうヤツは絶対に事故(失敗)をしない。
簡単・簡潔に言おう。
「暗示」は、ポジティブ(成功することだけ考えて)に。
「予測」は、疑いではなく「確信」で。
この2つを実践するだけで、見違えるほど「本来の力」は発揮される。
もう一度いう。
君たちは「技術」が浅いのではない。「努力」が足りないのではない。
「暗示」が、ネガティブ(失敗するシーンを考えている)で
「予測」が、「かも知れない」という疑いスタンスなだけである。
長くなったので、そろそろ終わりにするが、
僕の好きな言葉に「言葉は心の言霊」という銘がある。(ワシが勝手に作っただけじゃが)
言葉にはもの凄い「魔力」があり…
魂という名の「霊」が宿っている。(と、信じている)
言葉一つで、人は大きく変われる。
後ろ向きな言葉を放つヤツは、後ろ向きな「結果」と「人生」しか待っていない。
しかし、前向きな言葉を多く口にするヤツは。前向きな「結果」と「人生」が必ず待っている。
残念ながらオレや親御さんや監督コーチは、君たちと「24時間」共に過ごすことはできない。
しかし、オマエは「お前」と、一年365日、24時間ズーーッと一緒に過ごすことができる。
だったら、オマエが「お前」に美しく、心に響く言葉を毎日毎日かけてあげればいい。
毎日毎日…歯を食いしばりながら「お前」は毎日、一生懸命頑張りようるじゃないか…
そんなオマエが、褒めてやらんで誰が褒めてやるんや?
オマエしか、「お前」の苦悩や…努力や…苦しみを解ってやるモンはおらんじゃろうが…
そんな「お前」に。
前向きで、胸が熱くなるような、ポジティブな言葉をかけ続けてあげなさい。
そうすれば言葉は言霊となり、きっとお前は「イメージした自分」になれるから。
最後に、元広島カープ監督の達川さんの言葉で素晴らしい名言がある。
それが「声にスランプ(不調)はない」という言霊。
誰だって、打てない時はある。ストライクが入らない時もある。エラーするときもある。
そんな「スランプ」は誰にだってある。
そんなときこそ「誰よりも」元気な「声」を出せばいい。
「声」にはスランプはないから。
バットで貢献できないなら「声」で! 元気で!チームに貢献すればいい。
柊稀。
それが、今のお前にできる、暗く長いトンネルを抜け出す「たった一つの道」であり…
悪い時に悪いなりの野球をする…
お前なりの、お前にしかできない「こう」なんじゃないかな。
第三節は、プレイボールからゲームセットまで。
毎回マスクを取って、誰よりも大きな声で、三球全てフルスイングで!
笑顔で全力疾走でベンチに帰ってこい。
さぁ!みんな!
秋の忘れ物を「全員」で取りに行こう。