【コラム】謹賀新年|本年もよろしくお願いします

新年明けましておめでとうございます。

輝かしい2013年の幕開けです。
激動の社会情勢のなか、こうやって毎年、年末年始を迎えることの出来る幸せに心から感謝しています。

監督、コーチのブログ内でもありましたが、昨年の我がチームは「試練」と「後悔」の年でした。
無論、私は指導者ではありませんので指導者目線の「試練」と「後悔」は語れませんし、その苦労と悔しさを計り知ることも…出来ません。
しかしながら、年末年始などで毎年放送される、ある選手のテレビ特番を観ながら、僕なりに感じた「試練」と「後悔」を…乱文ながら執筆させて頂きたいと思います。

それは広島カープが生んだ英雄、金本知憲選手の引退記念特番でした。
彼は番組内でこう語っていました。

「正直、この3年間(ケガとリハビリを繰り返しながら戦ってきた引退までの3年間)さえなかったら、僕の野球人生は最高の輝かしい野球人生だったと断言できる」と。

一見、もの凄く高飛車な発言に聞こえますが、僕はどうしても「深い言葉」と唸らざるをえなかった。
そして、それは今まで同じ境遇を辿ってきた名選手たち(桑田、清原、城島選手など)の無念を代弁しているかのような…何とも言えない男の表情に見えました。
この番組を観られた方はたくさんいらっしゃるかと思いますが、皆さんは彼の「この言葉」をどう捉えましたでしょうか?

僕には… こんな想いに聞こえてなりませんでした。

「誰もが羨むほどの抜群のセンスがあろうと… どんなに歯を食いしばりながら辛く苦しい練習にも耐え、屈強な精神で肉体を鍛えようと… ものの一瞬で…たった一度の「ケガ」で… それらの全てが一瞬で消滅してしまうことだってある。 それくらい「ケガ」というものは恐ろしいのだ」と。

僕はケガには「2種類のケガ」があると思っています。
それは「防ぐことの出来ないケガ」と「未然に防ぐことが出来たケガ」です。
その判断基準はたくさんありますが、本当に掻い摘んで言えば、前者は一生懸命全力でプレーした延長線上で起きてしまった「不運なケガ」。
対する後者を言い表すには、この一言でしかない。
それは自己怠慢による、起こるべくして起きた「必然たるケガ」だと思います。

野球のみならず、全てのスポーツに、この「ケガ」はつきものである。
絶対に避けては通れないし、また「それ」を恐れてちゃ、最高のパフォーマンスを魅せることは出来ない。

2013年の初頭の挨拶は全ての野球少年に、そしてこれからますます活躍するであろう、有能な才能を持ったOB選手たちにこの言葉を捧げ幕を開けたいと思います。

あの金本選手だって、清原選手や桑田選手や城島選手だって、唯一、ケガだけには勝てなかった。
だから君たちにはせめて「未然に防ぐことが出来たケガ」だけはしないで欲しい。
そして一年でも長く野球を愉しみ、そしていつの日か「自分の意志」でプレーヤーを引退する日を迎えて欲しい。

それを貫くには本当にたくさんの「試練」がある。
普段の生活で言えば、栄養バランスを考えた食事管理であったり、睡眠不足などを防止する規則正しい生活であったり…

でも僕が一番本当に言いたいのが、試合や練習前の「準備運動」と「キャッチボール」だけは、ゲームと同様…いや、それ以上に真剣に取り組んで欲しい!ということ。
投球後のアイシングやクールダウン。運動後のストレッチやマッサージも大切だけど、それ以上に大切なのは運動前のストレッチやキャッチボール。
キャッチボールは文字どおり「肩を作る」という立派なルーティン。
このルーティンと真面目に向き合う選手ほど一流の中の一流。

そしてこれを怠ればきっと…
起こるべくして起こったケガと向き合うこととなり、それが君たちの「後悔」となる。

2012年の卒団式の壇上で、伊藤監督は君たちの前で号泣しました。
「君たちに後悔するな!!と言いながら、本当は自分が一番後悔してきた一年だった」と。
そして、二度と自分に後悔しないようなチームと野球環境を作っていきたい!!と。

「試練」や「後悔」は立場や人によって様々だけど、一つだけ共通な想いがある。
それは「自分に納得すること」だと思う。
そしてそれを成し得るキーワードは、在り来たりだけど「一生懸命、全力でやりきったかどうか?」しかない。

ケガで棒に振った数ヶ月や数年に「後悔」がないわけがない!!
余力を残して迎えるオフシーズンや高校入学に「納得」などするわけがない!!
全力で全てを出し切った者にしか…「最高の高校野球」は訪れない!!

この2013年はそれぞれがそれぞれに「試練」を課し、誰一人として「後悔」のないよう、全員が「納得」して終えることが出来るよう…

僕たちは君たちを全力で支え、力の限り応援していきます!!
意地をみせよう!!瀬戸内球児!! 夢を掴め!!シャークスOB選手たち!!

2013年1月1日 | カテゴリー :