【コラム】誰かのために流す涙

長くなりそうなので、最後にこれだけは覚えておいて欲しい。
もし、君たちがこの後の準決勝、決勝の舞台で、エラーをしたり、チャンスで打てなかったとき…
緊張して手足がガクガク震えたとき…
ピンチになって気持ちが負けそうになったとき…
そんな時は大きく息を吐き… あの5月5日を思い出して欲しい…

今年の5月5日。
豊北公園球場で行われた対、高川学園戦。
あの試合の終盤で逆転負けを喫した際、伊藤監督は人目もはばからず、君たちのために声を上げながら号泣し、その悔しさを叫び続けた。

あの姿。あの振り絞るような声。あの…切なさ。その姿に選手全員が正座して泣いた。
あのとき監督は、何度「神宮」という言葉を口にしただろう。
あの姿をしっかりと思い出し、そしてそれを勇気に変えて堂々とグランドに向かって欲しい。
あれも歴とした「誰かのために流す涙」なんだと。

自分のために流す涙は軽く、乾くのも早い。
そして、いつの日かその記憶もゆっくりと忘れ去ってしまう。
しかし、誰かのために流す涙は重く、いつまで経っても乾かない。
そして、流した涙の記憶は一生忘れることはない。

2013年6月12日 | カテゴリー :