「絶対にわしらが勝つ!! 絶対にわしらの方が強い!!」と。
その目は。その声は。きっと仲間に確認していたのかも知れません。
「そうよの?!」と。
「わしらが絶対勝つよの?!」と。
「だからみんな…俺に勇気をくれ!!」と。
ダイアモンドに立つ選手8人…
そしてベンチで声援を送るたくさんの後輩達が、力強く「おっしゃー!!」と叫び返してくれた瞬間…
あれだけ目の前でゆがんでいた景色が…
不思議なくらいスーッ…と止まってくれたんだそうです。
どうしても止まらなかった足の震えは止まり、何を言ってるのか全く解らなかった仲間達の掛け声がハッキリと聞き取れるようになったと。
そして今まで野球をやってきて、いまいち分からなかった「声の大事さ」「声を出すことの意味」が…
あの1イニングで痛いほど分かったと。
そう打ち明けてくれました。
そしてあの最終回。ノーアウトランナー1、3塁の、あの局面で…
チーム全体の「あるチカラ」が、あの信じられない奇跡を生んだのです。