【コラム】瀬戸内球児達が持つ「あるチカラ」

私事で申し訳ないのですが、昨日の準決勝戦。あの尾道相手に1-0で迎えた最終回。
選手交代で私の息子が守備につきました。
みんなの夢が詰まったこの大会。
この最終回まで、みんなが我慢して我慢して…積み上げてきたスコアボードの0の数…
この子はいつものように、全力で自分の守備位置につきながら…今まで経験したことのない、ある不思議な現象に見舞われたと言っていました。
それは目の前の球場がゆがみ、そして観客席もマウンドも、何もかもが全てグルグル回っていたと。
「自分がエラーをして、逆転されたらどうしよう…」
真っ先に頭によぎったことは、そんなネガティブな気持ちだったそうです。

いつものように声を出しても、その震えは止まらない。
いつものように笑って大声を出しても、そのゆがみは消えない。
足の震えは止まらず、野球をやってて初めてその場から逃げ出したくなったそうです。

いつもは「誰かのため」に掛けていた声。
マウンド上のエースに…緊張している後輩に…そして共に戦っている仲間達のために。
しかし、今回初めて全く周りが見えなくなり、震える右手で自分のほおを叩き、後ろを振り向き思わずこう叫んだそうです。

2013年6月17日 | カテゴリー :