大人たちの誰もが一度は「このチームでは神宮の夢なんて…」と不安に感じたこともあったであろう。
でも選手と監督コーチだけは、そんな不安など一度も感じたコトはなかったという…
その強い自信は、強がりや言い聞かせなどではなく「泥水をすすった2年間」を乗り越えてきたからこそ言える、彼らにしか分からない、強く大きな自信だったように思える。
彼らにとっての「その2年間」は、とてつもない「逆境」と「試練」の日々だったのではないかと思う。
しかし、逆境は跳ね返すためにある言葉であり、試練は乗り越えるためにある言葉でもある。
僕たちはこの2年半で、何度も彼らから「その言葉の意味」を教わってきた。
私事の話をして申し訳ないのだが、卒団大会で敗れたこの日、息子に対して素直な気持ちをこう伝えた。
「この2年半、本っっ当に…楽しかった!! 何もかもが大満足じゃった。この夏、北海道に連れてってくれてありがとの。」
さすがにこの日だけは、自然と感謝の言葉しか出てこなかった。
すると息子は、一言だけこう返してくれた。
「今度は甲子園に連れて行くけぇ」