今年度より、関西連盟中国支部の公式戦大会として正式に位置付けされた「新人戦野球大会」が過日行われ、中国支部から14チームのヤングライオンたちが東西から集い、我らが若鮫軍団・第23期生は少ない人数ながらも、惜しくも準優勝という結果となり、栄えある第1回大会を優勝で飾ることは夢幻と消えた。
この大会は、ますます深刻化される各チームの慢性的な選手不足解消に、少しでも「リーグ全体の活性化」と「選手たちの夢の舞台」を増やしてあげることが目的で設立された、1年生主体による新人大会である。
例年であればこの大会は、いわゆる「1年生大会」と称され、大会出場資格が「オール1年生であること」が必須条件であった。
しかしながら、毎年入団してくる1年生選手たちの数は少なく、9名以上集まるチームは半数にも満たない厳しい状況が続くなか、辛うじて2チーム、3チームによる合併チームでの参加、或いは参加辞退という惨状もあり、衰退化が著しく目立つ大会であった。
これでは、明日の甲子園球児を夢見て… あるいは未来のプロ野球選手になるのを夢見て、敢えてこのリトルシニアという中学硬式野球の門を叩いてくれた新1年生たちに申し訳ない気持ちになると同時に、この厳しい現実で「夢を持て」と唱える側も心苦しくもなる。
眩いばかりの硬式野球を夢見て入団した少年球児が、いきなりこんな過疎化の進んだ寂れた商店街のような現実を突き付けられて「さぁ!これから3年間、この元気のない寂しいシャッター街で夢を持って頑張って下さい!!」では…
どんなに有能な選手でも、どんなに歴史と知恵がある団体や指導者がいても…
活気のないリーグ環境では、絶対に良い選手を育てることは出来ない。
我々はいつも、子供たちの「有終の美」ばかりに気を取られ、ラストシーンの感動に「輝き」と「ロマン」を追求してしまい… 少しだけ大切なモノを見失いがちになる。
見失いがちになりそうなモノ…
それは、終わりの大切さと同じくらい大切にしなければならない「始まり」の大切さである。
「ひよこは卵から孵ったとき、生まれてはじめて見たものを親だと思って追いかける習性がある。」
夢と期待を持って、各チームの真新しいユニフォームに袖を通した「生まれたての新1年生」も、それと同じように
初めて見たモノ… 初めて得た感動… 初めて味わう悔しさ… 初めて交わす仲間との絆…を絶対忘れることはない。
そしてそれらの初めてを「自分たちの夢」だと思い(信じ)、いつまでもひたすらに追いかける「ロマン」がある。
僕たちはチームの役員という「組織の仕事」としてではなく、野球を愛する一人の野球人として、一人でも多くの子供たちに、この「ロマン」を味わってもらいたいと願っている。
「初めの一歩」が「ただやるだけ」の大会では、この子たちに明るい未来はない。
「初めの一歩」こそ、夢と志を持って日々練習し、「目指すべき場所」に向かって自分を磨いてゆかなければ、中学3年の「あの夏」に「あの場所」に立つことは出来ない。
今年の新人戦のエントリーは14チーム(実質15チーム)であったが、来年…再来年には全てのチームから「今年の新人戦は絶対獲るぞ!!」と、入団当初から「一番最初の目標」に向かい、キラキラ輝いた瞳の新1年生で溢れかえる、最高の登竜門大会となるよう心から願っている。
「始め良ければ終わり良し」
「終わり良ければ全て良し」
来年も…そしてこれからもずっと、広島瀬戸内リトルシニアリーグは、夢に向かって輝き続ける子供たちのために
「始まり」と「終わり」という、2つのロマンを大切に、瀬戸内ファミリーと共に邁進していきます!!
この勢いを持って、野村謙二郎CUP予選!!
そして、4年ぶりの秋季大会制覇に向けて、悔いのないようスタートから全力で頑張って欲しい!!