【コラム】男の筋

2021年6月。

第27期生、総勢19人の… 長くて、短いナツが終わった。

 

 

すまん…

 

ゲームセットのコールを聞いた瞬間…

思わずその言葉が漏れた。

 

この2年半の、様々な感情、様々な喜び、様々な悔しさ、様々な葛藤…

そして、様々な後悔を集約した全てのオモイが…

この3文字の言葉となって… 振り絞るように漏れた。

 

色んなことから始まった27期生だった。

だからこそ… 「結果」で、その全てを解き放ってやりたかった。

 

たった一つのウィルスのために…満足な練習や準備をさせてやれなかったこと…

満足な大会を用意させてやれなかったこと…

 

そして…

多くのチームから、我がチームを選んでくれ、仁方や…広や…焼山や…熊野から…

 

そんな様々な遠い地域から、毎日毎日、このちっぽけな島まで足を運んでくれた子どもたちに…

夢をみせてあげることができなかった…

 

ゲームセットのコールの瞬間、今まで封印していた「不安」が恐怖となって一気に襲いかかってきた。

 

この子たちは、幸せだったんだろうか…

この子たちは、我がチームを選んでくれて、後悔はなかったんだろうか…

この子たちの2年半に… 我々は胸を張って全てを教え切れたんだろうか…

 

様々なオモイと、様々な葛藤… 後悔… そして悔しさばかりが込み上げた。

 

このチームを選んでくれた子どもたちに。

この島を選んでくれたこの子たちに。

そして… こんな僕たちを信じてついてきてくれた子どもたちに…

なんとしても、神宮の空をみせてやることで、様々なオモイから救ってあげたかった…

 

あと残り2ヶ月。

笑って。泣いて。そして…

様々なオモイを馳せて、キミたちは「この島」から巣立ってゆく…

 

この2ヶ月は、キミたちだけの2ヶ月じゃない。

僕たちがもう一度歩いて行ける「勇気」と「自信」を取り戻すための、奢りをなくす貴重な時間でもある。

 

僕たち自身が、胸を張って

「このチームを選んでくれてありがとう」

と、心の底から感謝し、全ての日々に後悔することなく、送り出してあげれるよう…

 

もう少しだけ、僕たちを信じてついてきて欲しい。

 

27期生の子どもたち。

夢を叶えてやれなくて…

ベストコンディションで野球をさせてやれなくて…

本当にごめん

 

今の僕に言えるのは… 残りの大会全てに「意味」がある。

「目標」を失い、「負けて」からの戦いや「姿勢」に本当の意味がある。

 

その「意味」を教えてあげたい。

 

それが多分…

僕たちが、キミたちに教えてあげられる「最後の授業」となるだろう。

 

残りの全ての大会で、この悔しさを晴らし…

「やっぱり、シャークスは強かった」と、周りにも、自分自身にも、胸を張れたとき…

それがキミたちの卒業証書となる。

 

冠だけが「栄光」じゃない。

全国に出ることだけが「目標」じゃない。

キミたちが歯を食いしばって学んできたこと。

それが無駄じゃなかったことを「証明」するのが男の筋。

 

残り2ヶ月で、ワシらの意地、ワシらの筋をみせんかいや!

2021年6月8日 | カテゴリー :