先週、激動の2020年が終わりを告げ、悔しい(僕的には)「終わり」となった。
そして今週、慌ただしく2021年の始まりが告げられ、悔しい(僕的には)「始まり」でシーズン開幕となった。
昨年、今日と同じような気持ちで「コラム」の筆をとったことがある。
今日も、その時と同じように、淡々と「更新情報」で終わるつもりであった。
もう一度いう。
僕がコラムを書くときは、ある「決めたルール」がある。
それは「ここが転機」と感じたとき。
そして「ここが勝負」と感じたとき。
昨年のコラム執筆時は昨年の12月。
そう、一年が終わり、それぞれが「冬練(オフシーズン)」という「自分との戦い」を迎える前の段階であった。
今年の「転機」は、それよりもグーンと早い。
それくらい、今のチームは、いわゆる「匂い」を感じる。
キミたちに伝えたいことは、ほぼ昨年のコラム「横一線」と同じ内容である。
ただ、第2弾となる今回のコラムでは、キミたちに伝えたいのは「真剣」というキーワードだけである。
新チーム一発目の、先週の練習試合では、見事に3連敗。
しかも、同じシーズンを過ごし、同じ時間と同じ自粛期間を過ごしてきた「同級生」たちに、完膚なきまでボコボコにヤラれた「惨敗」であった。
そして、今週の招待試合ではどちらも「大味」な、一勝一敗の予選敗退。
この現実を
「まだ始まったばかり」と、楽観視してプラス思考に捉えるも良し。
「オレたちの実力って…こんなモノだったのか」と、トコトン落胆するも良し。
「何々がいけないから…」「何々が悪いから…」と、責任転嫁して、現実から目を逸らすも良し。
どちらに捉え、どちらに置き換え、どの道を歩んでもオレはなにも言わない。
後悔するのは「オレ」じゃない。
キミたちなのだから。
言い換えれば、どちらの道を歩んでも「正解」もないし「失敗」もない。
しかし、一つだけ言えるのは、どちらの道を選ぼうとも、明日から「真剣」にならないと、必ず「後悔」という名のしこりは残る。
中学生という、義務教育を受けている途中のキミたちにはまだピンとこないだろうが、人間の人生はすべて「ロウソク」で出来ている…という考えで生きていって欲しい。
キミたちはまだ若いから「終わり」というモノを漠然とした、いわゆる「通過点」みたいな感覚で考えていると思う。
その考えに間違いはない。
しかし、その通過点を、文字どおり通過するのか…通過点まで走り続けるのか…で、その人の人生は「つまらなくなる」か「面白くなる」かに分かれる。
そして、どんな人生でも、どんなドラマでも、そしてゴールであろうと、通過点であろうと、共通して必ずあるもの。
それが「始まり」と「終わり」なのである。
キミたちの根源となる「命」というゴールもそう。
キミたちが今、過ごしている「中学野球」という通過点もそう。
そして、これから目指そうとしている「高校野球」という通過点もそう。
全てが「オギャー」と産まれたその瞬間や、キミたちが「シャークスに入団」したその日から、キミたちのロウソクに「始まり」という名の「灯」が灯る。
そしてその灯は、ゆらゆらと揺れながら、確実に…そして、少しずつそのロウソクを溶かしてゆく。
ときには、激しい突風もあるだろう…
ときには、倒れることもあるだろう…
消えそうになり…弱々しい炎になりながらも… それでもキミたちは、ゆらゆらとその「灯り(命)」を灯し続けなければならない。
それはなぜか?
「産まれてきた(野球を始めた)」からである。
男なら。
「始めた」以上は、「終わり」まで燃え続けろ。
キミたちを支え続ける、その「ロウ」がなくなる、その一瞬まで。
真剣に、一生懸命、とにかく「燃え尽きる」まで、その与えられた人生(ロウソク)を懸命に燃やし続けろ。
キミたちの命は、とても大きく立派なロウソクの灯りが灯り続けている。
このロウソクは最後まで灯し続けたいよな?
最後の一瞬まで「ジジ…ジッ…」という音と煙と共に…燃え尽きたいよな?
それが「寿命」というもの。
途中で消したいか?まだまだ長いロウがあるのに、途中で消えてもいいか?
これはあくまでオレの考えだが、
90年、100年という、長い長い人生でもそう、たった2年半という、ほんの短い中学野球人生でもそう。
どんな長さのロウソクだっていい、
それでも、最後の一瞬まで「ジジ…ジッ…」という音と煙と共に燃え尽き…ようやく辺りが暗闇になったとき…
それが「後悔のない人生」を送った瞬間なんだと。そこで初めて胸を張って言えるんだと思う。
命(与えられた時間)は、いつまでも永遠にあると思うな。
そして、始まりも終わりも「突然」やってこない。
人生の終わりはいつなのかは、神様にしか分からない。
しかし、キミたちの「中学硬式野球人生」の始まりは「2020年9月1日」から。であり…
終わりは「2021年8月31日」まで。なのである。
もうこれは「分かりきったこと」なのである。
どんなに泣こうが喚こうが、キミたちに与えられたロウソクの長さは「1年間」と決まっている。
そして、そのロウソクの灯は、先日の8月30日に、第27期生の20名全員、一斉に灯されたのである。
あとは、ジワジワ…と消えてゆくだけ。
同じ環境…同じ空間…そして、同じスピードで。
いつまでも「命」があると思うな。
いつまでも「次」があると思うな。
真剣に。そして一大会一大会、一試合一試合、一打席一打席、一球一球を大事に!真剣に!
そして、後悔のないようキミたちにしか与えられない、大事な20本のロウソクを「最後まで」燃やし続けて欲しい!
大丈夫!
キミたちは「最後まで消えない!」という、強い意思だけ持ってくれ。
弱々しくも、力強く!最後まで灯り続けることだけ考えて周りを照らし続けてくれ!
後はオレたちが、オマエらの灯りを守り続けるから。
決して消えないよう、様々な外部の敵からキミたちの「灯り」を守り続けるから。
どんなに風が吹こうと、どんな嵐や突風が吹こうと、きっと家ではキミたちのお父さんお母さんがお前たちを守ってくれる。
そして、グランドではオレたちや監督コーチが、キミたちのロウソクは絶対に守ってやる!
だから来年の8月31日まで!
最後の一瞬まで「ジジ…ジッ…」という音と煙と共に燃え尽きるまで!
お前たちは勝ち続けろ!
打って!投げて!走って!守って!
とにかく勝って勝って…勝ち続けろ!
お前たちのロウソクは、お前たちのご両親やオレたちの大きな手のひらで…
決して消えないよう包んでやるから。
20人の兄弟が横一線になった今、
伸びるも、止まるも、衰退するも、それを決するのは「この3ヶ月」しだい。
この3ヶ月で、君たちが「野球」と「弱い自分」にどう向き合うのかで「最後のナツ」が決まる。
キミたちの「始まり」は、「3連敗と予選落ち」から始まった。
一年後の…
キミたちの「終わり」が、どんなフィナーレを迎えるのか。
それは、キミたち20人が選ぶといい。
後悔という、悔し涙で泣くもよし。
うれし涙で、親やチームメイトに心から感謝するもよし。
その答えは「この3ヶ月間のオマエら」に、オレは任せる。
新年度一発目に感じたオレの「胸騒ぎ」が、オマエらの中で「転機」となって届いてくれてることを信じて…
先ずはこの秋の「オマエらの灯り」がどんな輝きになっているか…
期待して待つ。